自然首都・只見  


過去の企画展について


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企画展パネルの 貸し出しについて

 
平成25年度


■あがりこの生態と人々との関わり

 「あがりこ」とは、木の幹を途中で伐採するとそこに瘤ができ、そこから何本もの幹が再生している樹木のことをいいます。
 温暖多雨の気候条件の下、日本列島においては、かつて豊かな森林が発達していました。日本列島に人類が誕生して以降、人々はこうした森林で狩りをし、農耕を行うために森林を切り開き、その資源を利用しつつ生活してきました。その利用形態は様々でしたが、森林の利用履歴は今日の森林の姿に色濃く反映されています。
 あがりこは森林の利用履歴を示すひとつの形です。あがりこ型樹形は、樹木の一部を利用目的に従って伐採利用し、個体の維持を図りながら長期にわたって利活用してきた歴史を物語ります。

 只見地域にも、あがりこ型樹形のブナ、コナラが見られ、人々の暮らしを今に伝えています。こうしたあがりこを理解するために、この企画展では、日本に見られるあがりこを広く紹介し解説しています。
あがりこの生態と人々の関わり.pdf パネル枚数:26枚 ※最初の5枚のみ閲覧できます。 

■水辺林の不思議な世界 -その魅力と役割

 只見町の山々は、その降雪と多発する雪崩により山肌が削り取られ急峻で複雑な地形構造が形成されています。そうした河川周辺は、斜面や尾根部とは異なった水辺という環境が形成され、それに依存した特異な植物群衆、森林群集(水辺林)が発達します。水辺域に生じる多様な自然撹乱は、種多様性の高い水辺植生、水辺林を形成します。そうした変化に富んだ多様な水辺環境は、様々な野生生物に水場、採餌、営巣の環境を提供し、移動・分散の回廊としても利用されます。

 水辺林は、河川環境の形成にも大きく貢献しています。只見のイワナやカジカは水辺林がなければ生息できません。また、河川と陸域を繋ぐインターフェイスの役割を果たしており、集水域生態系の中で、微妙かつ繊細で、しかし極めて重要な存在なのです

 この企画展では、水辺林とは一体何なのか、その生態学的機能と役割について解説しています。また水辺林の修復・再生の事例や、只見町の水辺林の特徴についても紹介しています。
水辺林の不思議な世界.pdf パネル枚数:39枚 ※最初の5枚のみ閲覧できます。 

■只見に生きる野生動物を知る!

 只見町の森林は、雪食地形やブナ林をはじめとした様々な森林群集から構成されるモザイク植生が発達し、多様で複雑な自然環境が形成されています。これらの森林は、ほとんど人の手が入っていない原生的な状態で広大な面積にわたり残されており、多くの野生動物が生息しています。
 只見町では37種類の哺乳類が確認されていますが、これら哺乳類の多くは夜行性・森林性であるため私たちが直接目にする機会はあまりありません。この企画展では、只見町で確認されている哺乳類について、種ごとの生態を写真を交えて紹介・解説します。

 また、近年の野生動物の話題として、特にツキノワグマによる農林業被害や人身被害が発生し、大きな社会問題となっていることについて取り上げ、ツキノワグマの生態について詳しく解説しています。また、人間と野生動物の関係として狩猟、生態系を脅かすニホンジカやイノシシといった北上する大型哺乳類や外来生物の問題についても紹介しています。

 この企画展が、野生動物への理解を深め、今後の彼らと私たち人間との共生への一助となれば幸いです。
只見の野生動物とその生態.pdf パネル枚数:32枚 ※最初の5枚のみ閲覧できます。 


 
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