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■只見の地形と地質
只見町は、福島県の西端、越後県境の越後山脈に接する山間地域で、周囲は標高1,000m前後の山地に囲まれています。山地は冬季の豪雪による雪崩で浸食されて雪食地形が発達し、それゆえ急峻複雑な山地構造の上にはブナ林をはじめとする様々な植生がモザイク状に成立しています。さらに、山の雪解け水や雨水は沢となり、それらは合流を繰り返し川となり、町内の谷や平野部を血管のように流れ下ります。そうした水辺域にもまた渓畔林や河畔林など特徴的な植生が形成されます。只見地域にはこれらのほかにも多様な自然環境や植生が存在し、それらを拠り所とした多様な野生動植物が生育・生息しています。
さて、このように多様な只見町の自然環境はどのように形成されてきたでしょうか。この問いに答えるためには、只見町の過去から現在までに形成されてきた地質構造や地形に注目する必要があります。すなわち、過去に地球で起こった地殻変動により生じた岩石や地層と、火山活動などの地球の内部から働く力(内作用)と河川の浸食・運搬・堆積など外部から地表面に働く力(外作用)などで形成された地形です。
本企画展では、主に只見町の地質と地形に注目し、解説するとともに、それらと関係する植生についても紹介します。只見の自然環境を理解するための一助となれば幸いです。
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